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クレジットカードの申込履歴はどれくらい残る?多重申込が影響する仕組みを整理

カードの基礎知識

短い期間に何枚もクレジットカードに申し込むと審査に影響する、という話を聞いたことがある方は多いはずです。ただ「何件までなら平気なのか」「いつまで残るのか」となると、途端に情報がばらつきます。

この記事では、申し込みの記録が信用情報機関にどう残るのかという仕組みの部分を、各機関の公式な記載だけを使って整理します。カード会社の審査基準は公表されていないため、件数の基準を断定することはしません。

ナビ助
ナビ助
まずは「なぜ申し込んだことが他社に見えるのか」から見ていこうペン。ここが分かると、あとの話は全部つながるよ。

そもそも、なぜ申し込みが記録に残るのか

理由は法律にあります。割賦販売法第30条の2は、カード会社がカード等を交付・付与しようとする場合、またはすでに交付したカードの極度額を増額しようとする場合について、次のように定めています。

ポイント

「年収、預貯金、信用購入あつせんに係る債務の支払の状況、借入れの状況その他の当該利用者の包括支払可能見込額を算定するために必要な事項として経済産業省令・内閣府令で定めるものを調査しなければならない」(割賦販売法第30条の2第1項)

さらに同条第3項は、この調査を行うときに「指定信用情報機関が保有する特定信用情報を使用しなければならない」と定めています。

つまり、カード会社が信用情報機関に照会するのは任意の慣行ではなく、法律上の義務にもとづく手続きです。そして照会した事実そのものが、信用情報機関に記録として残ります。この記録があるために、他社が「この人は最近こういう申し込みをしている」と把握できる状態になります。

信用情報の仕組みを一度まとめて理解しておきたい方は、信用情報について解説した本を1冊手元に置いておくと、開示報告書の項目を読み解くときに役立ちます。

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申込の記録は、どこにどれくらい残るのか

ここが本題です。三つの信用情報機関が公表している内容を、そのまま並べます。記事執筆時点の公表内容です。

CIC(株式会社シー・アイ・シー)

CICは「CICが保有する信用情報」のページで、加盟会員から登録される情報を三種類に分けています。そのうち「申込情報」について、次のように記載しています。

  • 概要……「クレジットやローンの新規申込みにおける支払能力を調査するため、加盟会員が照会した事実を表す情報」
  • 主な情報項目……氏名、生年月日、郵便番号、電話番号等/照会日、商品名、契約予定額、支払予定回数、照会会社名等
  • 保有期間……照会日より6ヶ月間

あわせて、契約後の利用途上でカード会社が照会した事実を表す「利用記録」も、保有期間は「利用日より6ヶ月間」と公表されています。申込時のものと利用途上のものが、別の区分として管理されている点は押さえておくとよいでしょう。

JICC(株式会社日本信用情報機構)

JICCは「信用情報の内容と登録期間」のページで、「申込みに関する情報」の内容を「本人を特定する情報(氏名、生年月日、電話番号及び運転免許証等の記号番号等)、並びに申込日及び申込商品種別等」とし、登録期間を「照会日から6か月以内」と公表しています。

KSC(全国銀行個人信用情報センター)

KSCはやや事情が異なります。全国銀行協会のパンフレット「全国銀行個人信用情報センターのご案内」では、「照会記録情報」の登録期間を次のように記載しています。

ポイント

照会記録情報=会員がセンターを利用した日、ローンやクレジットカード等の申込み・契約の内容等。登録期間は「当該利用日から、本人開示の対象は1年を超えない期間、会員への提供は6か月を超えない期間」。

つまりKSCでは、自分で開示したときに見える期間(1年)と、カード会社に提供される期間(6か月)が異なります。開示報告書に1年前の照会記録が載っていても、それが他社に提供されているとは限らない、ということです。この区別は、開示報告書を読むときに混乱しやすいところです。

三機関の比較(記事執筆時点)

機関 区分名 公表されている期間
CIC 申込情報 照会日より6ヶ月間
JICC 申込みに関する情報 照会日から6か月以内
KSC 照会記録情報 利用日から、本人開示は1年を超えない期間/会員提供は6か月を超えない期間
ナビ助
ナビ助
三機関ともカード会社に見える期間は6か月なんだね。KSCだけ自分で見える期間が1年って書いてあるのが面白いところだペン。

「申込ブラック」という言葉について

短期間に何件も申し込んだ状態を指して「申込ブラック」と呼ぶことがありますが、これは俗称であって、そういう制度や区分は存在しません。「ブラックリスト」という名前のリストが実在しないのと同じです。

正確に言えば、短期間に複数の申込履歴が信用情報に残っている状態があり、それが審査でどう扱われるかはカード会社が判断している、というだけの話です。呼び名に引きずられて「登録されてしまった」と考える必要はありません。

注意

「何件までなら影響しない」という基準は、どのカード会社も公表していません。3件までなら平気、といった数字を挙げている情報は根拠を確認できないものです。この記事でも件数の目安は示しません。

申込情報が何に影響しうるのか

審査基準は非公表なので、影響の度合いを断定することはできません。ただし、制度の仕組みから言えることはあります。

1. カード会社は申込情報を見る立場に置かれている

前述のとおり、割賦販売法第30条の2第3項は、調査の際に指定信用情報機関の特定信用情報を使用しなければならないと定めています。申込情報が視界に入らないという状況は、制度上ありません。

2. 極度額は合算で管理されることがある

同じ発行会社の中では、利用枠が合算される場合があります。三井住友カードは、ビジネスオーナーズのカード概要欄で、カード利用枠について「本会員がお持ちの個人カードと合算」と注記しています。複数枚を同時に申し込むと、それぞれで審査が行われることも公表されています。同社の同時申し込みに関する注意書きには「それぞれで審査いたしますため、審査の結果、いずれかもしくは両方のカードに入会いただけない場合がございます」と記載されています。

3. 記録は消えるが、契約したカードの情報は残る

申込情報は6か月で消えますが、審査に通って契約したカードについては、CICのクレジット情報が「契約期間中および契約終了後5年以内」保有されます。申し込んだ記録は短命でも、作ったカードの記録は長く残ります。使わないカードを増やすことの意味は、ここも含めて考える必要があります。

申し込む前に、いま手元にあるカードを並べて見直してみるのも一つの方法です。実際に使う数枚だけを薄型のカードケースにまとめると、持っているカードの全体像もつかみやすくなります。

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ナビ助
ナビ助
申し込みの記録は半年で消えるけど、作ったカードの記録はずっと長い。ここ、意外と見落とされがちなところだペン。

誤解されやすい三つの点

誤解1:審査に落ちたことが記録される

CICが申込情報について公表している定義は「クレジットやローンの新規申込みにおける支払能力を調査するため、加盟会員が照会した事実を表す情報」です。記録されるのは照会という行為であって、審査の結果ではありません。落ちた事実が他社に伝わるという構造にはなっていません。

誤解2:申込情報を自分で消せる

CICは、登録されている信用情報について「期間が過ぎた情報は自動的に抹消されます」と公表しています。裏を返せば、期間内の情報を本人の希望で削除する仕組みは用意されていません。「情報を消します」と持ちかける業者の案内には応じないでください。

誤解3:どこか1社に申し込んだだけなら他社には分からない

三つの信用情報機関は相互に情報を交流しています。KSCは公式サイトのお知らせで、提携信用情報機関との情報交流について案内しています。「別の系列のカードだから分からないだろう」という前提は成り立ちません。

自分の申込情報を確認する方法

推測するより、開示して現物を見るのが確実です。CIC・JICC・KSCはいずれも本人開示の制度を用意しており、自分がいつ、どの会社から照会されたかを確認できます。手続きの具体的な流れはクレジットカードの信用情報を確認する方法の記事にまとめています。

開示報告書を見ると、自分が覚えていない照会が並んでいることもあります。カードの申し込みだけでなく、携帯端末の分割購入や各種ローンの申し込みも照会の対象になるためです。「クレジットカードには1枚しか申し込んでいない」つもりでも、記録上はそうなっていないことがあります。

取り寄せた開示報告書は、次回の開示と見比べられるよう日付ごとにファイルへまとめて保管しておくと、照会の流れを追いやすくなります。

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ナビ助
ナビ助
開示報告書を初めて見ると「こんなに照会されてたのか」って驚く人が多いんだ。でも、知らないままより百倍いいペン。

よくある質問

Q1. 申込情報は何か月で消えますか?

CICは「照会日より6ヶ月間」、JICCは「照会日から6か月以内」と公表しています。KSCの照会記録情報は「当該利用日から、本人開示の対象は1年を超えない期間、会員への提供は6か月を超えない期間」です。いずれも記事執筆時点の公表内容です。

Q2. 審査に落ちた場合も記録は残りますか?

CICの申込情報は「加盟会員が照会した事実を表す情報」と定義されています。審査結果ではなく照会した事実が対象なので、結果にかかわらず記録されます。

Q3. 申し込みを途中でやめた場合はどうなりますか?

照会が行われた時点で記録の対象になります。フォームの入力を途中で閉じた場合に照会が行われているかどうかは、カード会社の処理によります。気になる場合は開示報告書で確認するのが確実です。

Q4. 何件までなら影響しませんか?

その基準はどのカード会社も公表していません。件数の目安を示している情報は、根拠が確認できないものだと考えてください。

Q5. 家族カードの申し込みも記録されますか?

家族カードは本会員の契約に付随して発行される形になっており、扱いはカード会社によって異なります。実際に何が登録されているかは、開示報告書で確認できます。

Q6. 記録が消えるまで、何もしないほうがよいですか?

「何もしない」のではなく、期間中にできることをする、という考え方が現実的です。次にいつ申し込むかを決める具体的な手順はクレジットカードの次の申し込みをいつにするかの記事で扱っています。

まとめ

申し込みの記録について、確認できる事実は次のとおりです。

  1. カード会社が信用情報を照会するのは、割賦販売法第30条の2にもとづく調査義務による
  2. 照会した事実は、CIC「申込情報」で照会日より6ヶ月間、JICC「申込みに関する情報」で照会日から6か月以内、KSC「照会記録情報」で会員提供が6か月を超えない期間(本人開示は1年を超えない期間)保有される
  3. 「申込ブラック」は俗称であり、そういう制度上の区分は存在しない
  4. 何件までなら影響しないかという基準は公表されていない

仕組みが分かれば、あとは自分の記録を確認して次の一歩を決めるだけです。推測の数字ではなく、開示報告書に書かれた日付を根拠にしてください。

各機関の公表内容はCIC「CICが保有する信用情報」、JICC「信用情報の内容と登録期間」、全国銀行個人信用情報センターで確認できます。割賦販売法の条文はe-Gov法令検索で読めます。

※本記事は記事執筆時点で各信用情報機関および法令が公表している内容にもとづいています。登録期間や制度は変更される場合がありますので、実際の手続きの際は各機関の公式サイトで最新の情報をご確認ください。カード会社の審査基準および審査結果について保証するものではありません。

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