コンビニのレジで「クイックペイで」と言えば支払いが終わります。使い方だけならそれで完結する決済ブランドですが、実はQUICPayには「QUICPay」と「QUICPay+(クイックペイプラス)」という2つの顔があります。
この違いを知らないと、レジで「2万円を超えているので使えません」と言われて固まることになります。逆に言えば、ここさえ押さえておけば、QUICPayで困る場面はほとんどなくなります。
この記事では、QUICPayという決済ブランドそのものを、JCBの公式情報だけで整理します。数値や記載内容はすべて記事執筆時点で公表されているものです。

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QUICPayとは、JCBが提供する電子マネー
QUICPayの公式サイトには、対応カードをスマートフォンに設定するだけで始められるサービスとして紹介されています。サイトのフッターには「JCB Co. Ltd.」と記載されており、運営はJCBです。
公式サイトに掲載されている規模感は次のとおりです。
| 項目 | 公表値 | 時点 |
|---|---|---|
| 対応カード会社 | 179社 | 2026年3月末時点 |
| 利用できる場所 | 全国373万台以上 | 2026年3月末時点 |
| 会員数 | 3,761万会員以上 | 2026年3月末時点 |
対応するのはクレジットカード・デビットカード・プリペイドカードの3種類で、公式ページには「さまざまなカードに対応しているから、いつものカードですぐにQUICPayをはじめられます」と説明されています。
スマートフォンで支払う機会が増えると、レジのたびにバッグから取り出す手間が気になってきます。スマホショルダーストラップのように肩から下げておけるアイテムを使うと、かざすまでの動作が短くなります。
ここが本題:QUICPayとQUICPay+の違い
この記事の中心です。JCBは専用の比較ページを用意しており、そこに違いが表で示されています。
| Apple Pay/Google Payで利用 | カードタイプ等で利用 | |
|---|---|---|
| 対応する支払い方法 | QUICPay+ | QUICPay |
| 設定できるカード | クレジットカード/プリペイドカード/デビットカード | クレジットカード |
| 1回あたりの利用上限(税込) | QUICPay+マークの店:上限なし/QUICPayマークの店:2万円まで | QUICPay+マークの店:上限なし/QUICPayマークの店:2万円まで |
公式ページの説明を整理すると、こうなります。
- QUICPay+は「QUICPayの機能をより便利に使いやすくした支払い方法」で、高額の買い物や、デビットカード・プリペイドカードでの利用に対応している
- Apple PayとGoogle Payは、QUICPay+に対応している
- お店側のQUICPayマークの店では1回2万円(税込)まで、QUICPay+マークの店では上限なし(指定したカードや店舗により異なる)
- デビットカード・プリペイドカードを登録した場合は、QUICPay+マークのお店でのみ利用できる
また、おサイフケータイ向けの「QUICPayモバイル」については、公式ページに「QUICPayモバイルのご利用は、QUICPayでのお支払いとなります」と注記されています。Android端末でおサイフケータイ経由で使っている場合は、+ではないほうの扱いになるということです。
覚え方はシンプルです。「+が付いていれば上限なし、付いていなければ2万円」。そして、店頭のマークに+が付いているかどうかが、その店の側の条件を決めます。
QUICPayとタッチ決済は別の仕組み
ここも押さえておきたいポイントです。QUICPayと、Visaのタッチ決済やMastercardのタッチ決済は、同じ「かざす」でも別の規格です。
JCBは2026年7月21日付でFeliCa ICチップに関するお知らせを公表しており、そこには「弊社サービス『QUICPay』の一部で採用」という記載があります。つまりQUICPayは、日本の電子マネーで広く使われているFeliCaの系統に属します。
一方、国際ブランドのタッチ決済はNFCのType A/Bという別の規格です。楽天ペイの公式ページでは、楽天Edyなどの「各種タッチ決済」は「おサイフケータイ機能搭載Android端末のみ利用可能」、「楽天カードタッチ決済」は「NFC(TypeA/B規格)搭載のAndroid端末で利用できます」と、動作条件が明確に分けて書かれています。
実務上の違いは、レジでの伝え方に出ます。QUICPayなら「クイックペイで」、Visaのタッチ決済なら「Visaで」または「Visaをタッチで」です。同じスマートフォンをかざしても、どちらとして処理されるかは事前の設定と伝え方で決まります。タッチ決済側の詳細はタッチ決済の設定と使い方をまとめた記事で扱っています。
ポイント還元の条件が、決済ブランドごとに分かれていることがあります。カード会社によっては「タッチ決済は特典対象だが、電子マネーは対象外」といった線引きをしています。自分のカードの特典条件を、一度は公式ページで確認しておいてください。

QUICPayの使い方
店頭での流れは2ステップ
公式サイトのご利用ガイドには、次のように案内されています。
iPhoneの場合、まず会計時に「クイックペイで」と伝えます。Face IDまたはApple Watchではサイドボタンをダブルクリックして顔認証、Touch IDの場合はホームボタンをダブルクリックして指を載せたまま端末にかざします。Androidの場合は、「クイックペイで」と伝えてスマートフォンを端末にかざすだけです。
公式ページには、決済完了の見分け方についても具体的な記述があります。お店の端末が青色点滅から青(緑)色点灯に変わり、「クイックペイ」という決済音が鳴るまでかざしたままにする、というものです。音が鳴らないうちにスマートフォンを離すと、決済が完了していない場合があります。
設定はウォレットアプリだけで完結する
公式サイトには、iPhoneならAppleウォレット、AndroidならGoogle ウォレットアプリにカードを設定するだけですぐに利用できる、と案内されています。所要時間は「スマートフォンなら約2分で完了」と記載されています。Google Payへの登録手順そのものはGoogle Payに登録する手順をまとめた記事で解説しています。
サインも暗証番号も不要
公式ページには「サインや暗証番号はもちろん、バーコードを読み取る必要もないので、もうお会計でモタつくことはありません」と記載されています。iDが「一定額を超えると暗証番号が必要」としているのに対し、QUICPayは金額の上限そのもので制御する設計になっています。
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QUICPayの対応店をどう探すか
公式サイトには「コンビニやレストラン、タクシーやレジャーなど、全国373万台以上の場所で利用できます」と記載されています。ただし「一部、QUICPayが利用できない店舗・商品・サービスがあります」という注記もあります。
個別の店舗を確認したい場合は、公式サイトの「使えるお店をさがす」から、現在地・キーワード・ジャンルで検索できます。この記事で店名を並べないのは、加盟状況が変わるためです。
店頭では「マークに+が付いているか」を見る
実践的なコツはこれです。QUICPayのマークだけの店なら1回2万円まで、QUICPay+のマークがある店なら上限なし(カードと店舗による)です。デビットカードやプリペイドカードを登録している方は、+マークのある店でしか使えません。高額の買い物や、デビット・プリペイドでの支払いを予定しているときは、レジ横のマークを確認してください。
セキュリティについて公表されていること
公式サイトには「お店の端末にかざすだけでお支払いが完了するため、あなたのカード番号や暗証番号を盗み取られる心配はありません。生体認証が使える端末なら、第三者の不正利用も未然に防げるから、お支払いがますます安全に」と記載されています。
一方で、JCBは2026年7月21日付のお知らせで、一部のFeliCa ICチップに関する情報が脆弱性対策情報ポータルサイト「JVN」において公表されたことを案内しています。同お知らせには、QUICPayでは従来より講じていた取引監視等の各種セキュリティ対策に加え、本件に関わる対策を進めている、と記載されています。
利用者側でできることは変わりません。明細を定期的に確認し、身に覚えのない利用を早く見つけることです。手順は不正利用の補償を請求する手順をまとめた記事にまとめています。
明細を見るついでに、使った金額を家計簿に書き写しておくと、身に覚えのない利用にも気づきやすくなります。手書きで管理したい方は、書き込み式の家計簿を1冊用意しておくのも一つの方法です。

よくある質問
Q1. QUICPayとiDはどちらが使えるお店が多いのですか?
公式に公表されている台数を並べると、QUICPayが全国373万台以上(2026年3月末時点)、iDが日本全国約264万台以上です。ただし両者は集計の時点や基準が明示的にそろっているわけではないため、単純比較はできません。実務的には、店頭にどちらのマークがあるかで判断してください。iD側の詳細はiDの使い方と対応店をまとめた記事で扱っています。
Q2. 自分のカードがQUICPayに対応しているか、どう調べますか?
QUICPayの公式サイトに「対応カード会社一覧」のページがあります。公式ページには「発行可能なQUICPayの種類はカード発行会社ごとに異なります」という注記もあるため、QUICPayなのかQUICPay+なのかまで、そこで確認してください。
Q3. 2万円を超える買い物をするときはどうすればいいですか?
QUICPay+マークのあるお店であれば、Apple Pay/Google Payからの支払いで上限なしとされています。QUICPayマークだけの店では2万円が上限なので、カードを直接使うか、別の決済手段に切り替えることになります。
Q4. デビットカードやプリペイドカードでもQUICPayは使えますか?
使えますが、条件があります。公式の比較ページには「デビットカード、プリペイドカードをご登録の方は、QUICPay+マークのお店でのみ利用できます」と明記されています。
Q5. カード型のQUICPayとスマートフォンのQUICPayは違いますか?
公式の比較ページでは、Apple Pay/Google Payでの利用がQUICPay+、カードタイプ等での利用がQUICPayとして区別されています。設定できるカードも、カードタイプはクレジットカードのみと記載されています。
Q6. メインカードの設定が勝手に外れることはありますか?
QUICPayの公式サイトには、2026年7月3日付で「メインカードに設定していたQUICPay対応カードの設定が解除された場合について」というお知らせが掲載されています。カードの有効期限などが関係する事象として案内されているため、心当たりがある場合はお知らせのページを確認してください。

まとめ
- QUICPayはJCBが提供する電子マネー。対応カード会社179社、全国373万台以上、3,761万会員以上(いずれも2026年3月末時点)
- 最重要はQUICPayとQUICPay+の違い。QUICPayマークの店は1回2万円(税込)まで、+マークの店は上限なし
- Apple PayとGoogle PayはQUICPay+に対応。おサイフケータイのQUICPayモバイルはQUICPay扱い
- デビット・プリペイド登録者は+マークの店でのみ利用可能
- QUICPayとタッチ決済は別の規格。レジでの伝え方も「クイックペイで」と「Visaで」で分かれる
- 対応店は店頭のマークで判断するのが確実。+が付いているかを見る
※この記事の情報は記事執筆時点で各社の公式サイトに掲載されていた内容にもとづいています。対応状況・上限額は変更される場合がありますので、ご利用前に各社の公式サイトでご確認ください。
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