クレジットカードをよく見ると、裏面に黒い帯(磁気ストライプ)と、表面にキラッと光る小さな金属(ICチップ)がついていることに気づくでしょう。この2つは見た目が違うだけでなく、セキュリティのレベルにも大きな差があります。
結論から言うと、ICチップのほうが圧倒的にセキュリティが高く、スキミング被害を防ぐ力に優れています。記事執筆時点のカードにはほぼ両方が搭載されていますが、決済の際はICチップやタッチ決済を使うのがベストです。
この記事では、磁気ストライプとICチップそれぞれの仕組み・特徴を比較し、タッチ決済の安全性や磁気不良を防ぐ方法まで詳しく解説します。

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磁気ストライプとは
カード裏面にある黒い帯が「磁気ストライプ」です。カセットテープと同じ原理で、磁気のパターンとしてカード情報が記録されています。1960年代から使われている歴史の長い技術です。
磁気ストライプの特徴
- 読み取り方法:カードをスライドさせて読み取る(スワイプ決済)
- 記録できる情報量:比較的少ない
- セキュリティ:低い(スキミングされやすい)
- 通信方式:暗号化なし(平文でデータを送信)
磁気ストライプの弱点
最大の弱点はスキミングに弱いことです。磁気ストライプに記録された情報は比較的簡単にコピーできてしまいます。ATMやレジに不正な読み取り装置を仕掛けられると、カード情報を盗まれるリスクがあります。
また、磁気は外部の磁気に影響されやすいという問題もあります。スマホ、磁石付きのバッグの留め具、磁気ネックレスなどの近くに長時間置くと、磁気不良を起こしてカードが読み取れなくなることがあります。
ICチップとは
カード表面にある小さな金色の四角がICチップです。小さなコンピューターがカードに埋め込まれているイメージで、磁気ストライプとは根本的に異なる技術で動作しています。
ICチップの特徴
- 読み取り方法:カードを端末に差し込む(ICチップ決済)、またはかざす(タッチ決済)
- 記録できる情報量:磁気の約80倍
- セキュリティ:非常に高い(暗号化通信)
- 本人確認:暗証番号(PIN)入力による高精度な認証
ICチップの強み
ICチップは取引ごとに固有の暗号データを生成する仕組みになっています。仮にデータを盗み取られても、そのデータでは他の取引には使えません。これがスキミング対策として非常に効果的です。
さらに、ICチップ決済では暗証番号(PIN)による本人確認が行われるため、署名だけの場合より本人確認の精度が格段に高くなります。

磁気ストライプ vs ICチップ 比較表
| 項目 | 磁気ストライプ | ICチップ |
|---|---|---|
| セキュリティ | 低い | 非常に高い |
| スキミング耐性 | 弱い | 強い |
| データ容量 | 少ない | 多い(約80倍) |
| 本人確認 | 署名 | 暗証番号(PIN) |
| 決済方法 | スワイプ | 挿入 or タッチ |
| 通信方式 | 平文 | 暗号化 |
| 偽造の難易度 | 比較的容易 | 極めて困難 |
タッチ決済(コンタクトレス決済)の仕組み
記事執筆時点で急速に普及しているタッチ決済も、ICチップの技術がベースになっています。カードを端末にかざすだけで決済できる仕組みです。
タッチ決済では、ICチップの中のアンテナが端末と近距離無線通信(NFC)で情報をやり取りします。ICチップ決済と同じく暗号化された通信が行われるため、セキュリティはICチップ決済と同等です。
決済スピードも非常に速く、通常1秒以下で完了します。レジでの待ち時間を大幅に短縮できるメリットもあります。
タッチ決済は「かざすだけ」という手軽さに加え、ICチップと同等のセキュリティを備えています。スピードと安全性の両方を兼ね備えた、最もおすすめの決済方法です。
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なぜ今でも磁気ストライプは残っているのか
ICチップのほうが明らかに優れているにもかかわらず、記事執筆時点ではほとんどのカードに磁気ストライプが搭載されています。その理由は主に3つあります。
- 後方互換性:古い決済端末はICチップに対応していないものがあり、磁気ストライプでしか読み取れない場合がある
- 海外での利用:国や地域によってはまだIC対応端末が普及していない
- ICチップの不具合時のバックアップ:ICチップが読み取れないときに磁気ストライプで決済する
ただし、世界的に磁気ストライプを廃止する流れは進んでいます。Visa・Mastercardは段階的に磁気ストライプなしのカード発行を進めており、近い将来には磁気ストライプが完全になくなる可能性もあります。
磁気不良を防ぐための対策
ICチップが主流になったとはいえ、磁気ストライプがまだ使われている以上、磁気不良は避けたいものです。以下の対策を心がけてください。
- スマホとカードを一緒にしない:スマホのスピーカーには磁石が内蔵されているため、カードと重ねて保管しないようにしましょう
- 磁石の近くに置かない:バッグの磁石留め具、磁気ネックレス、マグネット式のスマホスタンドなどに注意が必要です
- カード同士を重ねない:複数のカードの磁気ストライプ同士を重ねると、互いに影響する可能性があります
- 高温の場所を避ける:車のダッシュボードなど高温になる場所に放置すると、磁気が劣化するおそれがあります
- 磁気不良になったらカード会社に連絡:読み取れなくなった場合は、カード会社に連絡して再発行の手続きを行いましょう

ICチップの取り扱い注意点
ICチップは磁気ストライプより頑丈ですが、それでもいくつかの注意点があります。
- ICチップ表面を傷つけない:鍵や硬貨と一緒にすると、チップ表面が傷ついて読み取り不良の原因になります
- 曲げない:カードを曲げるとICチップが破損することがあります。ズボンの後ろポケットに入れたまま座るのは避けましょう
- 水濡れは基本的にOK:ICチップは密封されているため、多少の水濡れなら問題ありません。ただし長時間の浸水は避けたほうが安心です
まとめ:ICチップ決済・タッチ決済を積極的に活用しましょう
磁気ストライプとICチップの最大の違いはセキュリティのレベルです。ICチップは暗号化通信と取引ごとの固有データ生成により、スキミング被害を大幅に防いでくれます。
日常の決済では、できるだけICチップ決済やタッチ決済を使うのが安全面で最善の選択です。世界的に磁気ストライプの廃止が進んでいる今、ICチップとタッチ決済が主役になる時代はすぐそこまで来ています。
クレジットカードのセキュリティについて詳しく知りたい方は、日本クレジット協会のサイトが参考になります。ICチップの国際規格についてはEMVCoの公式サイト、タッチ決済の対応状況はVisa公式サイトで確認できます。
※この記事の情報は執筆時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
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