レジで暗証番号を求められ、うろ覚えの4桁を入れてみる。違う。もう一度。また違う。3回目で画面にエラーが出て、店員さんが「このカード、使えなくなってますね」と言う——。
これが暗証番号のロックです。そして残念ながら、ロックは「もう一度正しい番号を入れれば解除される」という性質のものではありません。
この記事では、暗証番号がロックされる仕組み、ロックされたあとに何をすればいいのか、そして手続きにどれくらいの時間がかかるのかを、カード会社の公式ページで確認できた範囲だけでまとめます。

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何回間違えるとロックされるのか
いちばん知りたいところですが、結論から言うと回数は公表されていません。
JCBは公式に「クレジットカードの暗証番号を入力する際、一定回数以上間違えると、ICチップを使ったカード利用がロックされます。セキュリティ保護のために、具体的な回数は非公開となっており、利用を再開するにはカードの再発行が必要なのが一般的です」と説明しています。
楽天カードも、海外利用の案内ページで「暗証番号を複数回誤って入力されますとそのカードがご利用いただけなくなってしまいます」として、出国前に確認しておくよう呼びかけています。
「3回でロック」といった数字を見かけることがありますが、カード会社が公表している数値ではありません。回数は会社やカードの種類によって異なると考えるのが正確です。この記事でも具体的な回数は書きません。確認できない数字だからです。
大事なのは回数を知ることではなく、2回続けて外したらそれ以上試さないという習慣のほうです。
ロックされたあとも使える支払方法がある
ここは救いのある話です。JCBは、ロックされた場合について「タッチ決済など暗証番号の入力を伴わない支払方法では、カードを利用できる場合があります」と説明しています。
つまり、ロックされるのはICチップを端末に差し込んで暗証番号を入力する決済であって、カードそのものが丸ごと停止するわけではない、というケースがあるということです。
- タッチ決済(コンタクトレス決済)
- スマホ決済(Apple Pay、Google Pay など)
- ネットショッピング(カード番号入力方式)
これらは暗証番号の入力を伴わないため、ロック後も使える可能性があります。ただし「使える場合があります」という書き方のとおり、確実ではありません。旅行中などにロックしてしまった場合は、まずタッチ決済を試してみる価値はあります。
ATMでのキャッシングは暗証番号が要るため、ロックされると使えません。海外で現金が必要なときにこれが起きると本当に困ります。

暗証番号の照会は、思っているより手間がかかる
ここが読者の期待といちばんギャップが大きい部分です。暗証番号は、電話をかけたらその場で教えてもらえるものではありません。
JCBの案内を見ると、確認方法は次のとおりです。
| 方法 | 分かる範囲 | かかる時間 |
|---|---|---|
| MyJCB(会員専用WEBサービス) | 暗証番号の下2桁のみ | すぐ |
| JCB暗証番号サービス(自動音声)で暗証番号通知書を請求 | 4桁すべて | 約1週間で登録住所へ郵送 |
MyJCBで照会できるのは下2桁だけで、カード有効期限とセキュリティコードの入力が必要です。JCBはこれを「思い出すヒントになる」と表現しています。4桁すべてを知りたい場合は、暗証番号通知書を請求して郵送を待つしかありません。
JCB暗証番号サービス(0120-899-020、24時間・年中無休の自動音声)でダイヤル後に「2」を入力し、JCBカード番号16桁と支払口座番号の一部などをガイダンスに従って入力すると、約1週間後に暗証番号通知書が登録住所へ届く、という流れです。手続きにはJCBカードと支払口座番号が分かるもの(キャッシュカード、通帳など)が必要とされています。
JCBも一般論として「書面で確認する場合は、郵送のため1週間程度かかる場合があります」「暗証番号の照会方法は、クレジットカード会社によって異なります」と案内しています。郵送でしか教えてもらえないのは、電話口の相手が本人かどうかをその場では確かめきれないからです。不便に見えて、これは自分を守る仕組みでもあります。

暗証番号を変更する2つの方法
JCBの場合、暗証番号の変更方法は2種類あります。どちらも現在の暗証番号とJCBカードが必要です。ここが重要で、番号を忘れている状態では変更手続きに進めません。先に照会が必要になります。
方法1 セブン銀行ATM
セブン銀行ATMにカードを挿入し、画面の案内に沿って操作すると、その場ですぐに暗証番号を変更できます。JCBはこの方法について、現カードのまま変更でき、カードを再発行する手間や手数料がかからず、変更後すぐに利用できると説明しています。
ただし制約もあります。
- 一部、セブン銀行ATMで変更できないカードがある
- カードの到着から1週間後より変更が可能
- セブン銀行ATMでは暗証番号の照会はできない(変更のみ)
方法2 自動音声通話(JCB暗証番号サービス)
0120-899-020にダイヤルして「1」を入力し、JCBカード番号16桁と現在の暗証番号、新しい暗証番号を入力する方法です。スマートフォン・携帯電話からは東京0422-76-5411、大阪06-6945-6857(有料)が案内されています。
こちらはカードの再発行を伴うため、新しいカード番号に切り替わります。再発行カードは7〜10日程度で届き、到着後に利用できるようになります。変更完了から約1週間後に、変更内容の確認書が登録住所へ送られます。
カード番号が変わると、公共料金・通話料・インターネット接続サービス・衛星放送視聴料などの継続的な支払いについて、契約先へ新しいカード情報(カード番号・有効期限)を自分で連絡する必要があります。JCBは「カード情報が変更されない場合、ご利用のサービスが停止になることがあります」と明記しています。また、一部のカードでは再発行手数料がかかり、再発行時にカードデザインが変わる可能性もあるとされています。
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ロックされてしまったときの流れ
ここまでを踏まえて、実際にロックされたときの動き方をまとめます。
- それ以上入力しない。タッチ決済や別の支払方法に切り替えます。
- カード会社の公式サイトで、自社の照会・変更方法を確認する。会社によって手順が違います。
- 暗証番号を思い出せないなら、まず照会手続きを取る。郵送で1週間程度かかることを見込みます。
- カード会社の案内に従って、再発行またはロック解除の手続きを行う。JCBは「利用を再開するにはカードの再発行が必要なのが一般的」としています。
- 新しいカードが届いたら、継続支払いの登録情報を更新する。ここを忘れるとサービスが止まります。
暗証番号を単に忘れているだけで、まだロックされていない段階なら、対処の選択肢はもっと多くなります。その場合はクレジットカードの暗証番号を忘れたときの確認・変更・再設定の方法もあわせてご覧ください。
なぜ最近、暗証番号を聞かれる場面が増えたのか
「昔はサインで済んだのに」と感じている方は、感覚として正しいです。
JCBは「本人確認が不要な少額決済や一定金額以内のタッチ決済などでは暗証番号の入力が不要な場合もあります。しかし、2025年4月以降、ICチップ付きカードを端末に差し込んで決済する場合は、暗証番号による本人確認が必要となっています。サインでは代替できないので注意しましょう」と説明しています。
つまり、ICチップを挿す決済ではサインという逃げ道がなくなりました。暗証番号を覚えていないことのリスクは、以前よりはっきり上がっています。
ロックを防ぐためにできること
- 2回外したら、その場での入力をやめる
- あいまいなうちにMyJCBなどで下2桁を確認しておく(思い出すきっかけになります)
- 海外渡航前に、暗証番号を思い出せるか確認しておく
- 複数枚のカードで暗証番号を混同していないか整理しておく
- 推測されにくく、かつ自分が覚えていられる番号にする
JCBは、生年月日、他のカードや免許証・キャッシュカードで使い回した番号、電話番号、住所の番地、車のナンバー、4桁の同じ数字(1111、5555など)を避けるよう案内しています。覚えやすさだけを優先すると不正利用のリスクが上がる、という考え方です。
また、暗証番号が使用された利用については、JCBは「たとえ第三者の利用であっても、暗証番号の管理義務違反にあたるため原則本人請求となります」と説明しています。カードと一緒にメモを持ち歩くのが危険なのは、この理由です。
よくある質問
Q. ロックされたカードは、時間が経てば自動で解除されますか?
A. JCBは「利用を再開するにはカードの再発行が必要なのが一般的です」としています。時間の経過で自動的に元に戻るとは案内されていません。カード会社に手続きが必要だと考えてください。
Q. 電話で暗証番号を教えてもらうことはできますか?
A. JCBの場合、MyJCBで確認できるのは下2桁までで、4桁すべては暗証番号通知書の郵送での案内となります。他社でも書面での案内が一般的です。オペレーターが口頭で4桁を伝える運用は、確認できた範囲では見当たりませんでした。
Q. 海外でロックしてしまいました。どうすればいいですか?
A. 暗証番号の照会には本人確認が必要で、楽天カードの場合はSMSによるワンタイムパスワード認証が求められます。海外SIMなどSMS非対応の環境では受信できないと公式に注意されています。現地ではタッチ決済や別ブランドのカードで対応し、帰国後に手続きするのが現実的です。海外でカードが使えないときの原因の切り分けは海外でクレジットカードが使えない原因と対処法でも解説しています。
Q. 海外のATMで5桁以上を求められました。どうすれば?
A. 楽天カードは「海外キャッシングご利用の際に、国や地域によっては5ケタ以上の暗証番号を求められる場合がありますが、その場合でも4ケタの暗証番号を入力してください」と案内しています。桁数の表示に惑わされて入力を繰り返すと、ロックにつながります。
Q. 暗証番号を変えると、カード番号も変わりますか?
A. 方法によります。JCBの場合、セブン銀行ATMでの変更は現カードのままで、カード番号は変わりません。自動音声での変更は再発行を伴うため、新しいカード番号に切り替わります。ただしJCBは「同じカード番号で再発行されるカードもあります」とも案内しており、カードの種類によって扱いが異なります。
Q. 家族カードの暗証番号も一緒に変わりますか?
A. 本会員カードと家族カードは別々の暗証番号を設定するのが一般的です。手続きの範囲はカード会社によって異なるため、変更や照会の際に対象を確認してください。
まとめ
暗証番号のロックは、その場では解決できないトラブルです。何回でロックされるかは公表されておらず、解除には再発行が必要なのが一般的で、暗証番号の照会は郵送で1週間程度かかります。
だからこそ、いちばん効くのは事前の準備です。今この記事を読んでいるあなたが、自分のカードの暗証番号を即答できないなら、それは将来のトラブルの予約が入っている状態かもしれません。時間のあるうちに確認しておいてください。

公式情報はJCB「暗証番号のお取り扱いについて」、JCB「クレジットカードの暗証番号はどのように設定すべき?」、楽天カード「海外での楽天カードの決済について」で確認できます。カードのセキュリティ全般については日本クレジット協会も参考になります。
※この記事の情報は記事執筆時点のものです。手続き方法や所要日数は変更される場合があります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
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