1. カード会社の紛失・盗難受付デスクに電話して、カードを止める。各社とも24時間365日受付です。
2. 現地の警察に届け出て、届出の控え(ポリスレポート)をもらう。あとの補償手続きで必要になります。
3. 現金が足りないなら、緊急キャッシングまたは緊急再発行をその電話で依頼する。数時間〜数日で手当てできる制度があります。
海外でのカード紛失は、時間との勝負です。この記事では、カード会社に電話が通じないときの代替手段まで含めて、公式サイトで確認できた連絡先と手順だけをまとめます。

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なぜ「まず止める」が最優先なのか
日本クレジット協会が2026年6月30日に公表した集計によると、2026年第1四半期(1〜3月)のクレジットカード不正利用被害額は113.6億円で、そのうち番号盗用による被害額が106.0億円、偽造による被害額が1.5億円、その他が6.1億円でした(主要事業者ベース、不正利用発生率0.033%)。
被害の大半が「番号を盗まれて使われる」タイプであることが分かります。カードそのものを持ち去られた場合はもちろん、落としただけでも番号は他人の手に渡り得ます。利用停止の連絡が1時間遅れれば、その1時間分のリスクを抱えることになります。
補償には「届け出た日からさかのぼれる期間」がある
ここが、この記事でもっとも知っておいてほしい点です。
JCBは会員規約に基づき、第三者による不正利用について「紛失登録完了から60日前にさかのぼり、それ以降の損害額を補償します」と明記しています。裏を返すと、連絡した日から61日以前の利用は補償されないということです。
あわせて、JCBは次のケースを補償の対象外としています。
- 会員の家族、同居人など会員の関係者による利用や、関係者が関与した盗難・紛失等による利用
- 当社へ盗難・紛失の連絡をした日から61日以前の利用
- 暗証番号が入力された利用、その他、会員に会員規約違反や故意または過失などがある場合
「暗証番号が入力された利用は原則として本人請求」という考え方は、JCBが暗証番号の案内ページでも示しています。暗証番号をカードと一緒にメモして持ち歩くのは、補償の観点でも避けたい行為です。なお、さかのぼれる期間や免責条件はカード会社ごとに会員規約で定められています。お持ちのカードの条件は、発行会社の規約でご確認ください。
カード会社の海外窓口(公式で確認できたもの)
JCB
JCBは「JCB紛失盗難受付デスク」を24時間・年中無休で運営しています。国内からは0120-794-082。海外からは国・地域別のトールフリー番号が用意されており、通話料は無料とされています(ただし携帯電話からかける場合は有料または利用できない場合があります)。公式に掲載されている番号のうち、主要な渡航先を抜粋します。
| 国・地域 | 電話番号 |
|---|---|
| アメリカ合衆国(ハワイを含む) | 1-800-606-8871 |
| グアム | 1-888-558-0012 / 1-800-606-8871 |
| サイパン | 1-866-666-5124 |
| カナダ | 011-800-00090009 |
| フランス | 00-800-00090009 |
| イタリア | 800-7-80285 |
| ドイツ | 0800-1-82-2991 |
| スペイン | 9009781-78 |
| 香港 | 001-800-00090009 |
| 韓国 | 001-800-00090009 / 002-800-00090009 |
| 台湾 | 00-800-00090009 |
| シンガポール | 001-800-00090009 |
| タイ | 001-800-81-10036 |
| オーストラリア | 0011-800-00090009 |
上記は抜粋です。ほかの国・地域の番号も含めた全リストはJCB公式「カードの紛失・盗難」に掲載されています。渡航前にご自身の滞在先の番号を確認しておいてください。
表にない国・地域、あるいは電話がつながらない場合について、JCBは「滞在国・地域の国際電話の現地オペレーターを呼び出し、81-422-40-8122(日本着信)へコレクトコールを申し込む」方法を案内しています。
三井住友カード
国内の紛失・盗難窓口は0120-919-456(24時間・年中無休)で、フリーダイヤルがつながらない場合は06-6445-3530と案内されています。会員番号が分からなくても問い合わせできるとされています。
海外については、滞在国・地域の国際電話オペレーターを呼び出し、81-3-6627-4067(最初の81は日本の国番号)へコレクトコールを申し込む方法が公式に案内されています。国・地域別のオートコレクトコールナンバーも用意されています(三井住友カード公式「紛失・盗難受付デスク(海外)のご案内」)。
なお三井住友カードは、電話での手続きには再発行手数料1,100円(税込)がかかるとしています。ただしVisa Infinite・プラチナ・プラチナプリファード・ゴールドは再発行手数料が無料と明記されています。
アメリカン・エキスプレス
アメックスは「グローバル・ホットライン」を海外からの問い合わせ窓口として用意しており、24時間日本語で対応、世界中のほとんどの国から通話料無料またはコレクトコールで連絡できると案内しています。国・地域別の専用番号が掲載されており、たとえばアメリカ合衆国(ハワイ、アラスカを含む)は+81-3-6851-4406です。
公式には「海外からお電話がうまくつながらない場合には、カード裏面の電話番号までコレクト・コールにておかけください。弊社よりグローバル・ホットラインに転送、または折り返しご連絡いたします」とも書かれています。プラチナ・カード会員については、海外からの問い合わせ先としてコレクト・コール81-3-6625-9666が明示されています。
国内の紛失・盗難窓口はカードの種類ごとに分かれており、グリーン・カードは0120-020120、ゴールド・カードおよびゴールド・プリファード・カードは0120-010120、プラチナ・カードは0120-376107(いずれも24時間・年中無休)と案内されています。

カード会社につながらないときの切り札
言葉が通じない、電話がつながらない、そもそも発行会社の番号が分からない。そんなときのために、国際ブランド側が窓口を用意しています。
Visaグローバル・カスタマー・アシスタンス・サービス
Visaは「カードを紛失したり、盗難に遇ってしまったら、Visaグローバル・カスタマー・アシスタンス・サービスが、世界中どこでも年中無休24時間体制でお手伝いいたします」と案内しています。コレクトコールで世界のどこからでも +1-303-967-1096 が利用できます。
コレクトコールを使うときは、国際電話会社に連絡し、コレクトコール先として1-303-967-1096を申請する必要があります。手続きを取らずに直接かけると通話料が自己負担になる、と公式に注意書きがあります。
Visaの案内によると、カード再発行までの流れは3ステップです。
- Visaに連絡する(滞在国・地域のフリーダイヤル、またはコレクトコール)
- Visaの担当者がカードを停止し、直ちに発行元の金融機関に連絡する
- Visaが金融機関と連携し、24〜72時間以内に再発行できるよう手配する
さらに緊急時については、「銀行の承認が得られ次第、1〜3営業日で緊急カード再発行を受けることもできます。または、お客さまの所在地の近くで、銀行の承認から通常数時間以内に現金をご用立てすることもできます」と説明されています(一部制限・制約が適用されます)。
現金が尽きて動けない、という状況にもっとも効くのが「緊急キャッシング」です。Visaは、再発行カードを待つ場合やカードの取り扱いに問題がある場合、つなぎ資金として近くの場所で現金を入手できるよう用意すると案内しています。あきらめて途方に暮れる前に、まず相談してみてください。
JCBの海外専用緊急再発行カード
JCBは、希望者にJCBカードを再発行したうえで「JCBプラザ ラウンジ」「JCBプラザ」で手渡す海外専用緊急再発行カードを用意しています。主要都市に拠点があるため、滞在先によっては現地で受け取れます。紛失・盗難の受付は最寄りのJCBプラザでも可能とされています。
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警察への届け出を忘れずに
JCBは「利用停止手続きが完了したら、最寄りの警察へ『紛失届』を提出してください。不正利用による補償手続きで必要となります」と案内しています。国内でも海外でも考え方は同じです。
海外の場合、警察が発行する届出の控え(いわゆるポリスレポート)が、帰国後の補償手続きや海外旅行傷害保険の請求で求められることがあります。言葉が不安なら、ホテルのフロントに同行や電話での通訳をお願いするのが現実的です。滞在国での緊急時の連絡先や治安情報は外務省 海外安全ホームページで確認できます。
三井住友カードも、渡航先の在外公館などから緊急時情報提供を受けられる外務省の海外旅行登録システム「たびレジ」への登録を、渡航前の備えとして案内しています。
帰国後にやること
カードを止めたあとには、地味ですが避けて通れない後処理があります。
- 再発行カードの受け取り。JCBは手続き後1〜2週間、アメックスは受付後1週間〜10日程度(金属製カードは最大3週間程度)と案内しています。
- 各種支払いの登録カード番号の変更。カード番号は安全のため新しいものに変わります。公共料金やサブスクリプションなど、旧カード番号を登録しているサービスをすべて更新する必要があります。
- 予約済みの航空券・乗車券の確認。JCBは「予約済の航空券や乗車券が、新しいカードで発券できない可能性があります」として、利用前に予約した加盟店へ確認するよう案内しています。
- 利用明細のチェック。身に覚えのない請求がないか、次の明細で確認しましょう。
国内で紛失した場合の届け出の流れはクレジットカード紛失時の届出手順の解説記事にまとめています。

よくある質問
Q. 紛失したかどうかはっきりしません。すぐ止めるべきですか?
A. JCBは、カードが手もとになく探す間だけ止めたい場合に、「カード利用関連の制限」設定で一時的に利用を制限できると案内しています。三井住友カードにも「あんしん利用制限サービス」があり、設定を解除すればそのまま使えるとされています。見つかる可能性があるなら、まず一時停止という選択肢があります。
Q. 一度紛失を届け出たカードが見つかりました。使えますか?
A. JCBは「紛失・盗難のご連絡(ご登録)後に見つかったカードは利用できません」と明記しています。再発行カードの到着を待ってください。
Q. 現金もカードも全部なくしました。どうすればいいですか?
A. 国際ブランドの緊急キャッシングが選択肢になります。Visaは、銀行の承認から通常数時間以内に、所在地の近くで現金を用立てられると案内しています。まずは電話で相談してください。それも難しい場合は、在外公館への相談も検討してください。
Q. スマホも一緒になくしました。カードの番号が分かりません。
A. Visaは、カードが手元になくても紛失・盗難の届け出ができるよう担当者が手伝えるとしています。三井住友カードも、会員番号が不明でも問い合わせできると案内しています。番号が分からないことを理由に連絡をためらう必要はありません。
Q. 家族カードも一緒に止まりますか?
A. カード会社と状況によります。JCBはETCなどの付帯カードや家族カードについても手続きできるとしています。連絡の際に、どのカードを止めるのかを明確に伝えてください。
Q. スマホ決済に登録していたカードはどうなりますか?
A. JCBは、Apple Payを登録しているデバイスを紛失した場合はApple Payの利用停止が必要であること、Google Payの場合は登録したカードの発行会社に連絡することを案内しています。カードとスマホの両方をなくしたときは、両方の手当てが必要です。
まとめ
海外でカードをなくしたときにやることは、突き詰めると3つです。止める、届け出る、現地でお金の手当てをする。この順番さえ守れれば、被害は最小限に抑えられます。
そしてもうひとつ。Visaも三井住友カードも共通して案内しているのが、出発前にカード発行会社名・連絡先電話番号・カード番号・滞在国からの窓口番号を書き留め、カードとは別の場所に保管しておくことです。これが、いざというときにいちばん効きます。

公式情報はJCB「カードの紛失・盗難」、Visa「カード紛失/停止手続き」、アメリカン・エキスプレス「グローバル・ホットライン」で確認できます。不正利用の統計は日本クレジット協会の公表資料によります。
※この記事の情報は記事執筆時点のものです。電話番号や補償条件は変更される場合があります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
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