クレジットカードで買った物が壊れた、盗まれた。そんなときに使えるのが「ショッピング保険」です。名前は各社バラバラで、三井住友カードは「お買物安心保険(動産総合保険)」、JCBは「ショッピングガード保険」、三菱UFJニコスは「ショッピング保険」と呼んでいます。
ただし、この保険はかなり細かい条件で組み立てられています。対象外の品物、自己負担額、補償期間、そして「その支払い方法でないと対象にならない」という条件。ここを知らないと、いざというときに1円も出ません。
この記事では、各社の公式ページと約款の記載だけを使って、条件を整理します。確認できなかった数値は書きません。

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先に結論:3つの落とし穴
ショッピング保険で読者がつまずくポイントは、だいたい次の3つに集約されます。
1. 携帯電話は対象外のことが多い。三井住友カードの公式リストでは、携帯式通信機器(携帯電話・PHS・ポータブルナビゲーション等)が対象外の商品として明記されています。
2. 「故障」は対象外。同社の免責事由に「故障による損害」がはっきり挙げられています。壊れた=出る、ではありません。
3. カードによっては、リボ払い・分割払いでの購入しか対象にならない。ここが見落としの多いポイントです。
落とし穴1:「リボ払い・分割払いのみ対象」というカードがある
まずここから。三井住友カードの公式ページには、カード種別ごとの対象となる利用が表で示されています。
| カード種別 | 補償限度額 | 対象となる利用 |
|---|---|---|
| ゴールド、プライムゴールド、ゴールド(NL)、Oliveフレキシブルペイ ゴールド | 300万円 | 海外・国内利用 |
| ヤングゴールド | 200万円 | 海外・国内利用 |
| エグゼクティブ | 100万円 | 海外・国内利用 |
| 一般A、アミティエ、一般、三井住友カード Tile、デビュープラス、バーチャルカード | 100万円 | 海外・国内リボ・分割(3回以上)払い利用 |
一般カードの行だけ、条件が違います。国内での買い物は、リボ払いまたは3回以上の分割払いを指定した場合しか対象になりません。1回払いで買った物が壊れても、対象外ということです。
しかも公式には、「国内のリボ・分割(3回以上)は、事故日以降の『あとからリボ』『あとから分割』は対象となりません」と注記されています。壊れてから慌てて支払い方法を変えても間に合いません。
三菱UFJニコスにも同じ構造の条件があります。同社は、ゴールドエッジ・一般/学生カードなどの欄に付いた注記として「日本国内で購入した商品は、支払い方法を購入時に分割払い・リボ払いで指定した場合対象となります」と記載しています。ただし例外もあり、「登録型リボ『楽Pay』にご登録いただき、かつそのクレジットカードで購入した場合は、支払い方法を問わず対象となります」「海外で購入した商品は、支払い方法を問わず対象となります」とされています。
そもそもショッピング保険が付いていないカードもあります。三井住友カードは「三井住友カード(NL)、三井住友カード(CL)、Oliveフレキシブルペイ(一般)、プロミスVisaカードは対象となりません」と公式に明記しています。年会費無料の人気カードが含まれている点は、知っておく価値があります。

落とし穴2:自己負担額(免責金額)
三井住友カード、三菱UFJニコスとも、公式に「1事故につき3,000円」の自己負担額を明記しています。
三井住友カードの説明では、補償されるのは「カード決済時のご利用控または買物をしたお店の領収書に書かれている商品の購入金額(修理可能な場合は、修理金額か購入金額のどちらか低い金額)から、1事故につき3,000円の自己負担額を差し引いた金額」です。
つまり5,000円の物が壊れて修理費が4,000円なら、受け取れるのは1,000円という計算になります。少額の被害は、実質的に手続きの手間と釣り合いません。この保険は高額な買い物のための備えと考えるのが実態に合っています。
落とし穴3:補償期間はカード会社で倍以上違う
ここは会社差がはっきり出る部分です。
| カード会社 | 補償期間(公式記載) |
|---|---|
| 三井住友カード | 購入日および購入日の翌日から200日間(配送などの場合は商品の到着日から起算) |
| 三菱UFJニコス | 購入日から90日間 |
200日と90日では、倍以上の差があります。同じ「ショッピング保険付き」でも、買ってから半年後に壊れたときの結果は変わります。
なお三井住友カードは、保険そのものの契約期間についても「毎年6月1日から1年間で、当該カード会員である期間に購入された商品が補償の対象となります(特別な通知がない限り、毎年6月1日以降自動更新となります)」と説明しています。
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対象にならない品物のリスト
三井住友カードは「補償の対象とならない主な商品」を公式に列挙しています。そのまま整理します。
- 船舶(ヨット、モーターボートおよびボートを含む)、航空機、自動車、自動二輪車、原動機付自転車、自転車、雪上オートバイ、ゴーカート、ハンググライダー、パラグライダー、サーフボード、セーリングボート、ラジオコントロール模型およびこれらの付属品
- 携帯式通信機器およびこれらの付属品等
- 義歯、義肢、コンタクトレンズその他これらに類するもの
- 動物および植物
- 現金、手形、小切手、その他の有価証券、印紙、切手、乗車券など、旅行者用小切手およびあらゆる種類のチケット
- 食料品
- 稿本、設計書、図案、帳簿その他これらに準ずるもの
- 不動産および不動産に準ずるもの
- 会員が従事する職業上の商品となるもの
- ギフトカードで購入した商品
ここで大事なのが、携帯式通信機器の定義です。同社は注記で「携帯電話・PHS・ポケットベル・ポータブルナビゲーション等をいい、ノート型パソコン・ワープロ・タブレット端末・ウェアラブル端末などの携帯式電子事務機器は含まれません」と説明しています。
読み替えると、スマートフォンは対象外だが、ノートパソコンやタブレットは対象外リストには含まれないということになります。ここは誤解が多いところなので、リストの注記まで読む価値があります。
「こういう壊れ方」は対象外
品物が対象でも、壊れ方によっては保険金が出ません。三井住友カードが公式に挙げている、保険金を支払えない主なケースから抜粋します。
| 対象外のケース | 身近な例 |
|---|---|
| 故障による損害 | 家電が自然に動かなくなった |
| 商品の瑕疵、製作の欠陥による損害 | 初期不良 |
| 紛失または置き忘れ(置き忘れ後に生じた盗難を含む) | 店に忘れて、そのままなくなった |
| 商品の配送中に生じた損害 | 宅配便で届いた時点で破損していた |
| 置き配後に被保険者またはその同居人が受け取るまでに生じた損害 | 玄関前に置かれた荷物が持ち去られた |
| 水災、地震または噴火に起因する損害 | 浸水で家電が使えなくなった |
| 磨耗、使用による品質・機能の低下、かび、変色、さび、腐蝕 | 経年劣化 |
| 詐欺または横領に起因する損害 | だまし取られた |
| 商品機能に直接関係のない汚損、擦損、塗料の剥落などの外形上の損傷 | 使っているうちの傷 |
| 商品の保管場所において、満15才以上の者の不在時に生じた損害(不在期間が引き続き72時間を超えない場合を除く) | 長期の留守中の被害 |
「故障」と「紛失・置き忘れ」が対象外である点は、とくに押さえておいてください。この2つは、実際に起きやすい割に対象外です。三菱UFJニコスも「配送中の事故は補償の対象となりません」と公式に記載しています。

請求の手続きと期限
手続きには期限があります。両社とも事故の日から30日以内の連絡を求めています。
| 会社 | 連絡先と受付時間(公式記載) |
|---|---|
| 三井住友カード | VJ保険デスク(三井住友海上)。国内から 0120-658-811/海外から 81-18-888-9225。受付時間【日本時間】9:15〜17:00 年中無休 |
| 三菱UFJニコス | 東京海上日動 三菱UFJカード事故受付デスク 0120-789-707。受付時間24時間(年中無休) |
必要書類は事故の形態によって変わります。三井住友カードが示している主なものは、保険金請求書、罹災証明および盗難届出証明書(盗難・火災の場合)、修理費見積書または領収書、売上票(お客さま控え)、損害明細書、損害状況写真などです。同社は「上記各書類はコピーではなく本紙が必要です」「盗難事故の際、警察で盗難届出証明書を発行しない場合は、盗難届出受理番号が必要となります」とも注記しています。
三井住友カードは「全損の場合は、原則として購入商品を回収させていただきます」と記載しています。保険金を受け取ったうえで壊れた品物を手元に残す、ということはできません。また配送後の商品の損害については、原則として受領証(商品の到着日を確認するため)が必要とされています。
カード別の補償限度額
公式に確認できた金額を並べます。
| カード | 年間の補償限度額 |
|---|---|
| 三井住友カード プラチナ | 500万円 |
| 三井住友カード ゴールド/ゴールド(NL)ほか | 300万円 |
| JCBプラチナ(ショッピングガード保険) | 年間最高500万円 |
| 三菱UFJニコス ゴールド/プレミオ、アメックス プラチナ・ゴールド | 300万円 |
| 三菱UFJニコス ゴールドエッジ、一般/学生 | 100万円 |
JCBは自社の一般カードやJCB カード Sにもショッピングガード保険が付帯すると案内していますが、券種ごとの限度額は公開ページで確認できなかったため、この記事では書いていません。
よくある質問
Q. スマートフォンは補償されますか?
A. 三井住友カードのお買物安心保険では、携帯式通信機器(携帯電話・PHS・ポケットベル・ポータブルナビゲーション等)が補償の対象とならない主な商品として明記されています。ただし同社は、スマートフォンの画面破損などを対象とする別の保険(スマホ安心プラン)も用意しています。ショッピング保険とは別枠のサービスです。
Q. 家電が自然に故障した場合は使えますか?
A. 使えません。三井住友カードは、保険金を支払えないケースとして「故障による損害」「商品の瑕疵、製作の欠陥による損害」を公式に挙げています。ショッピング保険が補償するのは、破損・盗難・火災といった偶然の事故です。
Q. 自己負担額はいくらですか?
A. 三井住友カード、三菱UFJニコスとも「1事故につき3,000円」と公式に記載しています。補償されるのは、購入金額(修理可能な場合は修理金額か購入金額の低いほう)からこの3,000円を差し引いた金額です。
Q. 1回払いで買った物も対象になりますか?
A. カードによります。三井住友カードのゴールド以上は「海外・国内利用」が対象ですが、一般カード等は「海外・国内リボ・分割(3回以上)払い利用」が対象と公式に記載されています。三菱UFJニコスの一部カードにも同種の条件があります。お持ちのカードの表をご確認ください。
Q. 補償期間はどのくらいですか?
A. 会社によって違います。三井住友カードは「購入日および購入日の翌日から200日間」、三菱UFJニコスは「購入日から90日間」と公式に記載しています。
Q. 置き配で盗られた場合は補償されますか?
A. 三井住友カードは、保険金を支払えないケースとして「置き配後に被保険者またはその同居人が受け取るまでに保険の対象に生じた損害」を明記しています。受け取り前の段階での損害は対象外です。
まとめ
ショッピング保険を正しく理解するためのチェックリストです。
- そもそも付いているか。年会費無料のカードには付いていないものがあります。
- 支払い方法の条件はあるか。一般カードは、国内ではリボ・分割(3回以上)のみ対象というケースがあります。
- 買おうとしている物は対象か。携帯電話、食料品、自転車、チケット類は対象外です。
- 壊れ方は対象か。故障、紛失・置き忘れ、配送中の破損は対象外です。
- 金額は自己負担3,000円を引いた額。少額の被害では手続きに見合いません。
- 期限は事故日から30日以内。気づいたらすぐ電話が鉄則です。
付帯保険の内容は改定されます。三井住友カードは「カード付帯保険サービスの内容は、予告なく変更される場合がございます」、三菱UFJニコスも直近で補償内容を変更した旨を公式に告知しています。また各社とも、実際の支払いの可否は普通保険約款および特約にもとづくと明記しています。この記事は記事執筆時点の公式サイトの記載に基づく概要です。詳細はお持ちのカードの約款でご確認ください。

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公式情報は三井住友カード「お買物安心保険(動産総合保険)」、同「保険金をお支払いする主なケースとお支払いする保険金」、同「保険金をお支払いできない場合について」、三菱UFJニコス「ショッピング保険」の各ページで確認できます。
※この記事の情報は記事執筆時点のものです。補償内容・限度額・条件は変更される場合があります。最新の情報は各公式サイトと保険約款でご確認ください。
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